新年のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。
加盟校・法人会員の皆さまをはじめ、すべての会員の皆さまには、旧年中の温かいご支援を賜りましたことに心より御礼申し上げます。

2026年の新春を迎えるにあたり、私たちは、これからの社会が求める教育の在り方を見据え、未来を担う学生たちをこれまで以上に力強く支えていく決意を新たにしております。

この決意の背景には、文部科学省が示した「2030年の社会と子供たちの未来」に関する論点整理があります。
そこでは、動物分野の教育にも深く関わる視点が提示されており、未来の教育を構想するうえで重要な指針となっています。
グローバル化・情報化・技術革新が急速に進む現代において、教育は単なる“知識伝達”にとどまらず、社会に価値を創造し続けるための“未来形成の基盤”であることが求められており、人と動物の関係が多様化する今、こうした視点は動物専門教育機関が果たすべき役割とも深く重なります。

また、2030年には日本全体が人口構造の大きな転換期を迎えます。
少子高齢化の進行により社会課題は一層複雑化し、ある試算では、世界の子どもたちの約65%が「現在は存在しない職業」につくとも予測されています。

このような変化の中で、動物専門教育にも従来の枠組みを超える変革が求められており、技能習得に加え、問いを立て、自ら考え行動し、新しい価値を創造する力が不可欠となってきます。

こうした社会変化に対応する姿勢として、文部科学省は「社会に開かれた教育課程」を提唱しています。
動物に関わる専門職が飼い主や地域社会、行政、福祉団体、産業界などと連携して価値を生み出すためには、教育機関自体が社会と協働し、新たな価値を創出し続ける存在でなければなりません。

まさに“社会とともに教育を創る”姿勢こそが、これからの動物専門教育の中核になるといえるでしょう。

このような考え方を踏まえ、当協会が特に重視しているのが「社会課題に向き合った教育課程の構築」と「価値創造型人材の育成」です。

動物福祉や高齢動物への対応、高齢化社会における人と動物の関係性など、現場における課題は多岐にわたり、ますます複雑化しています。
こうした多様な課題に的確に応えるためには、看護・福祉・トリミング・トレーニングといった専門領域を状況に応じて密接に連携させ、課題解決力、すなわち社会で求められる力を総合的に育成する教育課程の構築が必要であると考えております。

さらに、学生一人ひとりの主体性と自律性を育むことも重要です。
日本の若者の自己肯定感の低さが指摘される中、未来を創造する人材には確かな判断力と自信が求められます。

そのためにも、自らの学びや行動が社会に貢献していると実感できる教育環境を整えることが、学生の成長と潜在力の開花につながるものだと感じています。

このような観点から見ると、2030年の動物専門教育機関は、単なる「職業訓練の場」から「未来社会を創造する学びの拠点」へと進化していくことになるでしょう。
当協会は、学生が地域社会と関り、その中で役割を果たせるような教育環境づくりを動物専門教育機関と進めるとともに、未来に向けた教育基盤を着実に築いていくことが、公的ライセンスを発行する動物専門教育協会としての責務であると考えております。

未来は予測するものではなく、私たち自身の手で創り出すものです。
次世代を担う若者の成長のために、そして人も動物も安心して暮らせる社会の持続的発展のために、当協会はこれからも知恵を尽くし、誠心誠意取り組んでまいります。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

一般社団法人全日本動物専門教育協会
理事長 大野 公嗣